大祓詞
高天原という天上界に住んでいるカムロギという男の神様と、カムロミという女の神様が大勢の神様に集まってもらい こう言いました。
「地上にある日本という国を平和に暮らせる立派な国に作りあげなさい」
しかし、地上には不平不満を言って反対する神様たちもいて、天上の神様たちと、地上の神様たちは皆で何度も何度も話し合いました。
やがて反対していた神様も理解し、協力してくれるようになりました。
そこで、カムロギ、カムロミの子孫であるスメミマという神様が天上の世界から雲をかき分けおし分けて、地上に降りてきました。
スメミマは大きな家を建て、日本の国をもっと立派な国にしようと努力します。
しかし、地上に住む人間というものは、ついつい嘘をついたり悪いことをしたりして、罪を作り悪い心のケガレをたくさん溜めてしまいます。そこでスメミマは罪やケガレを消し去り、清らかにする方法があることを教えました。
それは細かい木をきれいに切りそろえて、たくさんの台の上に置き、麻の木の皮を細かく切り裂いて、お祓いの道具にし、神事を行い、お祓いの言葉である「祝詞」を唱えることでした。
こうすることで天上と地上の神様たちが願いをお聞きになり、罪やケガレは一つも残らず綺麗に清められるのです。
それは、まるで雲や霧が風で吹き飛ばされて消えていくようでもあり、船が海を自由に泳ぐ姿のようでもあり、森の木々を切るとまわりが明るくなって気持ちまで爽やかになる様子に似ています。
そうやって消えた罪やケガレは神様たちの力で、広い海に流され、海の底に沈められ、そして深い地下の国に吹き飛ばされて、最後はどこかに行って跡形もあらゆる罪やケガレなくなるのです。
このように罪やケガレをきれいに消し去り、払い清めてくださいます事を天上の神様、地上の神様をはじめとするたくさんの神様がお聞きしてくださいますよう謹んでお祈り申し上げます。
「親子で読む大祓詞物語」
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