誠の道 ☽︎‪︎.*·̩͙‬…3

ある年のこと
地(くに)は乱れ
天災 病 飢え に 人々は苦しみました
御巫は人々の為と信じ
毎日のように滝行を行い 祈りました
水が凍る頃になっても 滝行を続ける御巫に
大神様は語りかけました
 御巫よ そなたには
 泣いておる 和子の姿が見えぬのか
 そなたの身を案じ
 やめてくれと
 言うておるのがわからぬか
 そなたが無駄に苦しむ事で
 誰が喜ぶのであるか 言うてみよ
御巫は 唯 黙っている事しかできませんでした
大神様は溜め息をつかれ
静かにおっしゃいました
 ここからそなたの村が見える
 立派な衣をまとい 祝詞を唱え
 人の為と 願いを奉る者が見えるであろう
 神通力を得 人を助けんとする山伏の姿
 子を想い 神にすがり お百度参りをする者の姿
 そして 
 病の母を案じ 食べ物を分けてもらう為に
 ひたすらに 頭を下げてまわる 童子の姿・・・
 御巫よ
 人の眼で その者らの姿 見るがよい
 そなたは誰を
 救うてやりたいと 思うのであるか
御巫は答えました
 自ら 母の役に立たんとする 童子で御座います
大神様はおっしゃいました
 そうであろう
 人の想いも 神の想いも
 何一つ 違わぬのであるぞ
 それでは 額の眼で その者らの姿を見てみよ
御巫はもう一度 村を見まわしました
童子のまわりには 光の御柱が立ち
童子の身体からは
誰よりも強く清らかな光があふれておりました
大神様はおっしゃいました
 その童子はの
 神も祝詞も知りはせぬが
 己が諦めねば
 母が救われる事を信じておるのじゃ
 親を拝み 陽を拝み 土を拝み 水を拝み
 母から頂いた御身を
 大事に養う事を知っておる
 誠の神は その童子が信ずるように
 気付かずとも 全ての民の身の内に
 住まわれておるのであるぞ
御巫は己の間違いに気付き
目頭が熱くなり 何も話せなくなりました 
大神様は続けられました
 人を救うのは人である
 神を頼らぬ童子を取り巻く 数多の神々が
 そなたには見えるであろう
 それを
 誠の神かかり 神人 と申す
 人を想うた祈りなれば
 願わずとも 神々はすでに知っておる
 祈り地獄はいらぬ
 わかりたなれば
 今すぐに童子の元に参り
 手を引いてやるがよい


神人達の里より

✷*.。 hi∞mi ☽・:*

真理を、指針とし愛と調和の世界へ

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