旅の目的 ☽︎︎.*·̩͙…8
行者は固い決心をして 己の神に願い奉りました
私は命に従い旅を続けて参りましたが
今日より
この村の者達と共に生きたいと存じます
どうか約束を違える事を御許し下さい
地(くに)の神はおっしゃいました
そちに捜せと言うたは
御志高き神人の守護する 此岸の都であるぞ
そちの後ろに立ちたるは何者ぞ
一驚を喫して 振り返ると
そこには 畑仕事で土塗れになり
満面の笑みで汗を拭う 御巫の姿がありました
行者は 余りの恥ずかしさに顔を伏せ
地の神に誓いました
畏れ多くも 有り難く
この御役 生命の限り つとめさせて頂きます
地の神はおっしゃいました
誠 御巫を守らんとするなれば
村人に 神霊界を語るなかれよ
印 真言 を用いるなかれ
不思議の技を使うなかれよ
人 想う その光透波 その行いが
祈り そのものであるのぞよ
天のめぐり 地のめぐり
望んで背負うた この村の
神と人とを救うてくれよ
生命をかけて 人 想う
御巫の背の荷は いと重く
助くる者がいるのぞよ
行者は地の神に誓いました
たとえ この生命尽きようとも
次の世も その次の世も
たとえ 不思議の力が滅するとても
たとえ 前世の記憶を失うとても
必ずや 御巫様と巡り会い
共に 天地のめぐり 抱き参らせんことを
神人達の里より
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