預言書 ☽︎︎.*·̩͙…9
行者が御巫の村で暮らすようになり
村人は 更によく笑い よく働き
幸せに満ちあふれておりました
行者は御巫と薬草を探しながら
話をしておりました
ところで御巫様は
預言書とやらを御存知ですか
弥勒の世が来たるとか
御巫は笑って答えました
知っておりますよ
でも 私は信じてはおりません
行者は驚いて聞きました
私の修行していた山では
それは神の御言葉であると
皆 奉っておりましたが・・・
御巫は荷を下ろして 話し始めました
預言書には 末世に多くの人の命が淘汰され
心根の良い者だけが残り
神の世が来たると 書かれているそうですが
私は 大神様が創られたこの世ですから
何一つ 救われぬものは無いと
信じております
どちらの神様が降ろされた
御言葉であるかは存じませんが
和子様が心から御喜びになる為には
それが誠であっては困るのです
ですから 私は
それが 大神様の御筆であろうとも
信じません
たとえ それが誠であろうとも
諦めるのは
最後に 結果が出た後で
良いではありませんか
行者は 静かに微笑む御巫の後ろに
眩い光を見ました
神一厘の神仕組みとは
愛する者を守らんとする
その一念がもたらす
奇跡なのかもしれませんね
神人達の里より
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